「一人暮らし」特有のストレスと悩みのキーワードは、「変化」と「孤独」だといわれています。一人暮らしを始めるきっかけには色々ありますが、「入学」「就職」「転勤」「離婚」など人生における大きな転機=変化がきっかけとなる場合が多いようです。そのような一人暮らしを開始するときには「引越し」という更なる変化が伴います。住環境や生活環境が変わり、慣れない景色やお店、人々との付き合いが始まります。たとえどのような「変化」でもそれは人にとって刺激、つまりストレスになります。変化があると私たちはその変化に自分を合わせたり、変えたり、適応させる必要が出てきます。それがある程度の負荷になるのです。一方、初心者からベテランまで、一人暮らしにもれなくついてくるのが、「孤独」です。家族と同居していれば、ちょっと辛いことがあった時にも、別に相談をしなくとも気持ちがまぎれますし、一人で考え込む時間が少なくなります。 悩みがあるときも、家族がそばにいれば、横から馬鹿話をされたり、どうしたの?と心配してくれたり、又は瑣末な日常のあれこれに巻き込まれたりするうちに、気持ちが切り替わることが多いですが、一人暮らしはそうはいきません。沈んだ気持ちにストップをかけたりヘルプしてくれる人は、自分から積極的に探さない限りそばには存在しないのです。
ストレスマネジメントとは、その名の通りストレスを管理(=コントロール)するということです。ストレスマネージメントを実践するためには、まず自律神経について知る必要があります。自律神経とは、心臓や胃を動かしたり汗をかいたり、自分の意志とは関係なく自動的にはたらく神経のことなのですが、実はこの自律神経がストレスと大きな関わりを持っています。自律神経は、戦闘モードの「交感神経系」と、お休みモードの「副交感神経系」の2つの神経で構成されていて、この2つの神経が、バランスをとりながら身体の機能を調節しています。そこにストレスがかかると、脳は「交感神経」に命令を出して血圧を上げたり、心拍数を増やして血管を収縮させ、そのストレス状況に対応しようと頑張ろうとするわけです。それは身体を「戦闘態勢」に切り替えた、ということです。「戦闘態勢」が長く続くと、新陳代謝の悪化、集中力の低下、肩こりや頭痛などの症状が現れます。ほかにも身体的な症状として、頭痛、首・背中・腰の痛み、便秘、下痢、胃痛、また精神的な症状として、不安感、心配、イライラ、ゆううつな気分、物忘れなどの症状がでてきます。行動面でも食欲がなくなる、眠れなくなる、性欲が減退する、などの影響が現われます。過度のストレスは「過労死」さえも引き起こしかねません。一人暮らしでは、ストレスを和らげてくれる家族の存在がないわけですから、自分で積極的にコントロールする必要があります。
一人暮らしの心細さや孤独に打克つためには、メンタルを鍛えることが有効です。メンタフとは“メンタルタフネス(MENTAL TOUGHNESS)”の略で、ストレスに対する耐性を表す言葉です。ストレスから受ける影響の大きさは、人によってかなり個人差があって、同じストレスを受けても大きなダメージを受けてしまう人とそうでない人がいるものです。それは、メンタルタフネスの差、ということができます。そもそも、この「メンタフ」はスポーツのトレーニングから出てきた言葉で、アメリカの大物スポーツ選手を指導してきたスポーツ心理の専門家によって作られた理論です。メンタルタフネスの第一人者ジム・レーヤ?は、著書「スポーツマンのためのメンタルタフネス」の中で、「メンタルタフネスは誰でもトレーニング次第で習得できる」と言っています。最初からメンタフな人はいないはずです。ほかのさまざまなスキルと同じで、トレーニングをすることで誰でもメンタフになることができます。このメンタフとは、どのようなストレス状況でも自分の持っている才能とスキルを最大限に発揮して、プレッシャーに負けずに目標に向かって突き進むことのできる能力とも言えます。今のストレスフルな社会状況に打ち克ち、一人暮らしの心細さを乗り越えて充実した人生を手に入れるためにも身につけておきたいスキルといえます。